遺産分割協議書に関する相続問題5
預金を独り占めされそうだ!
遺言がなければ相続人全員で遺産分割協議をして遺産分割協議書を作成します。もし、遺産が預金だけであれば、銀行所定の書類に相続人全員の実印を押して、印鑑証明書を添付すれば払出ししてくれます。そして、銀行所定の書類の多くには、「相続人の代表者」を指定するよう記載されています。そこで、次のような事態が予想されます。
相続人の一人が預金を独り占め又は多めに貰おうと画策します。そして、口約束でちゃんと分けるからと言って、銀行の書類に印鑑を押させます。代表して払出しを受けると、態度を変えます。「平等に分配するとは言っていない」「50万円だけくれてやるから、取りに来い」などです。最終的には、金を握っている者が強いです。不服なら調停や裁判をするしかありません。仕方なく、少ない金額で妥協する場合が多いでしょう。特に長男が代表者で、その妹たちが相続人の場合です。
以上のような理不尽な結果にならないよう、次のような対策をお勧めします。
- いくらずつに分配するのか前もって書面にしておくこと
- 払出し日には直接銀行へ出向くこと、それまでは印鑑を押さないこと
- 銀行での払出しの際には、現金で受け取るのではなく、自分の口座へその場で送金してもらうこと
- 銀行での手続を最初から行政書士などの専門家に依頼すること